光の手

一人でカギをかけていた。

奇異な目を向けられるから、
憐れむ目を向けられるから、
変人のレッテル貼られるから、
利用しようと近づいてくるから。

恨み声が聞こえるから、
嘆きの声が聞こえるから、
届けられない想い託しに来るから、
凄惨な現場を追体験するから。

普通の人の倍ものヒトに出会って、
母親に殺されかけて、
世界が僕を拒絶するなら、
僕が世界を拒絶すればいい。

君が僕を利用するなら、
僕も君を利用しよう。
人はヒトという記号。
いるもいないも僕には関係ない。
だから
ヒトが何を感じようと、
だましていようと、
関係なかったんだ。
他人だから。
あくまで遠目で見てくるヒトに
存在を認める義理はない。

それなのに、それなのに、
きれいと言った君の言葉
扉開けるカギだった。

なぜ開いたの?
何重にも鍵をかけ、
自分でも失っていた鍵を
どうして君は開けられた?

初めて届いたその白い手が
記号ではないヒトに感じて

何だろう、この気持ち
光を連れ込むこの手が暖かくて、
失いたくない、そう感じるんだ


文庫版八雲を読みながら、改めて思ったんですよ…
八雲君は、晴香ちゃんの「きれい」発言で何かが変わったんだって。
で、それを書いてみたかったんですが…無理でした。
しかも一度全部消しているし。
テンポ悪いし。
リベンジしたいですね、はい。

戻りませう